人生、暇なり!!!孤独なりなり!!!

社会人2年目ぼっち男。口と手が動くプログラマーを目指す。友達と彼女作る。

とりあえず近くの定食屋に食いに行った話

 会社から帰ってきて、特にやることもなかったから、アパート近くの旨くて安い定食屋に行った。全品650円で、ハンバーグ定食、オムライス定食・・・なんてよくある定食が確か6種類くらい。メニューは毎日同じ。今日は唐揚げ定食を頼んだ。席の数が少なくて、入れるのはせいぜい15人程度。本当にこじんまりとした店だ。近所のじいさんばあさんが集う店で、俺みたいな若い奴は極めて珍しい。入った瞬間、みんな俺のことを一瞥して、一拍置いてから、途中だった雑談に戻っていった。

常連というほどではないが、1カ月に一度くらいはここに来る。ボリューミーで健康的で、なおかつ安い。大皿に中指と親指で丸を作ったくらいのサイズの唐揚げが5個と、拳くらいのポテトサラダ、空いた隙間にサラダが乗って出てくる。ご飯とみそ汁と漬物付き。こんな充実した店は滅多にない。店内は結構賑やかだ。じいさんばあさんが引っ切り無しに喋っていて、そこへ店主のばあさん二人がときどき茶々を入れる。もちろん俺が雑談に混ざることは無い。テレビの歴代力士ランキングなるものを見ながら、何とも言えない雰囲気を堪能する。

大方平らげると、いいタイミングでコーヒーが運ばれてくる。パウダーみたいなやつを溶かすタイプのインスタントコーヒーだが、この安っぽさが妙に雰囲気にマッチしてて美味く感じるから不思議だ。コーヒーをすすりながら年寄りの雑談に耳を傾けていると、90歳だという1人のばあさんが自身の健康診断の結果を語りだした。どうやら心臓に重度の異常があるらしい。今までにも何度か手術を受けたことがあるらしく、今回もまたメスを入れるんだそうだ。

そのばあさんは体調的には元気そうだったが、やはりどこか悲壮感が漂っていた。二週間後に手術だという話だから、そりゃそうだ。他の年寄りも頑張って勇気づけていたが、ばあさんの声は弱弱しかった。みんなで一通り励まし合った後、また元気になったら来るからと、一言残してばあさんは歩いて帰っていった。

少し寂しい雰囲気が過ぎ去った後も、相変わらず年寄りの雑談は賑やかだった。時折、さっきのばあさんの話題が上がったが、あんな風に弱気になる前に沢山遊ばなくちゃ、とパワフルなジジババ共。思うにあの年になると、身近な人間が死ぬことなんて結構当たり前になっていて、今さら大して悲しむ程のことではないんだろう。

と考えつつ、身近な人の死は確かに悲しいが、1年、また1年と経つごとに、結構どうでも良くなっているものだと思った。母方のばあさんが死んだときも、父方のばあさんが死んだときも、数週間程度は悲しかったが、そのあとはどんどん記憶から薄れていった。本人からすれば、死は最も重要かつ恐ろしいことだが、他人から見ればそれすらも、あくまで他人事。

お兄さんまた来てな、というばあさん店主その1の声に相槌を打ちながら店を出た。商店街のアーケードを抜けながら、24歳彼女いない歴年齢の虚しさを嘆いた。

 

千文字!文学風!